エーデルリッドのおすすめクライミングロープ!ジム用と外岩用の選び方!
クライミングに使うロープには種類もあり、ジム用と外岩用をどうやって選んだらいいかわからない人もいるかと思います。
この記事ではクライミングメーカーのエーデルリッド EDELRIDのロープについて、選び方とおすすめのジム用と外岩用のロープを紹介します。
クライミングメーカーのエーデルリッド EDELRIDとは?特徴
エーデルリッドとは、ドイツのクライミングメーカーです。
ロープ、アパレル、ロープバッグ、ハーネス、カラビナ、チョークバッグなど作っています。
ユリウス・エーデルマンとカール・リッダーによって1863年に創業され、1950年に開発された「カーンマントルロープ」によってクライミング界で有名になりました。
カーンマントルとは、内芯とそれを覆う外被の二層構造になっていて、荷重を内芯で受けてそれを外被で覆うことで、安全性が高いロープのことで、クラミングロープなどに採用されています。
エーデルリッドのロープの種類
エーデルリットは、
- ダイナミックロープ(伸びるロープ)
- セミスタティックロープ(少し伸びるロープ)
- スタティックロープ(伸びないロープ)
を作っています。
この中でクライミングには、ダイナミックロープ(伸びるロープ)を使います。
落下の可能性があるため、伸びるロープで衝撃を吸収する必要があるためです。伸びないロープで落下すると、体に衝撃がダイレクトに伝わってしまい危険です。
セミスタティックロープ(少し伸びるロープ)、スタティックロープ(伸びるロープ)は落下を想定しないもの(高所作業、レスキュー、荷上げ)に使います。
エーデルリッドのダイナミックロープ
ダイナミックロープにはシングルロープ、ダブルロープ、ツインロープというシステムがあり、ロープ一本で済むシングルロープが主流です。
ダブルロープはハーフロープとも呼ばれ、アルパインクライミング、マルチピッチクライミングで使われるロープを2本使うシステムです。
ツインロープは、1本で登るシングルロープのシステムを2本にした。もので世界的にマイナーです。
以下エーデルリッドのシングルロープです。
モデル名 | 太さ(mm) | 長さ(m) | 重さ(g/m) | 耐墜落回数(回) | 色 | 備考 |
スイフト 48 プロドライ Swift 48 Pro Dry | 8.9 | 50, 60, 70 | 53 | 6,20,22 | ピンク アイスミント | Thermo Shield Pro Dry 3D Lap Coil |
スイフト プロテクト プロドライ Swift Protect Pro Dry | 8.9 | 50, 60 | 53 | 6,18,30 | ナイトグリーン ナイトファイア | Thermo Shield Pro Dry 3D Lap Coil Cut Protect |
カナリー プロドライ Canary | 8.6 | 50, 60, 70 | 51 | 5,24,30 | ピンク ネオングリーン | Thermo Shield Pro Dry 3D Lap Coil |
イーグルライト プロドライ Eagle Light Pro Dry | 9.5 | 50,60 | 60 | 9 | ネオンコーラル ブライトグリーン | Thermo Shield Pro Dry 3D Lap Coil |
イーグルライト Eagle Light | 9.5 | 50,60 | 62 | 9 | ポーラー レッド | Thermo Shield 3D Lap Coil |
ハミングバード プロドライ Hummingbird Pro Dry | 9.2 | 50, 60, 70 | 57 | 8 | アイスミントシトラス ナイトシトラス | Thermo Shield Pro Dry 3D Lap Coil |
ヘロン プロドライ Heron Pro Dry | 9.8 | 50, 60 | 63 | 10 | アイスミント ファイア | Pro Dry |
トミー プロドライ デュオテック Tommy Pro Dry Duo Tec | 9.6 | 60 | 62 | 9 | Duo Tec Thermo Shield 3D Lap Coil Pro Dry | |
トミー エコドライ デュオテック Tommy Eco Dry Duo Tec | 9.6 | 60 | 62 | 8 | ネオングリーン | Duo Tec Thermo Shield 3D Lap Coil Eco Dry |
ボアジム Boa Gym | 9.8 | 35, 40 | 68 | 7 | オアシス | Sports Braid Link Tec |
ボア Boa | 9.8 | 30,40,50,60 | 62 | 7 | レッド ブルー | Thermo Shield 3D Lap Coil |
キングレット Kinglet | 9.2 | 50,60,70,80 | 56 | 7 | ナイト | Thermo Shield 3D Lap Coil |
パイトン Python | 10 | 30,40,50,60 | 64 | 8 | ブルー レッド | Thermo Shield 3D Lap Coil |
スイフトとカナリーはシングルロープ、ダブルロープ、ツインロープの規格をクリアしているので、シングル、ツイン、ダブルで使うことができます
サーモシールド / Thermo Shieldとは?
特殊な熱処理で内芯と外被を接着する加工でロープがしなやかで扱いやすくなります。
プロドライ/Pro Dryとエコドライ/ Eco Dryとは?
・プロドライは速乾性と撥水性を追加する加工で、水を含まず、凍らず、濡れても重量が増えません。
ハイエンドモデルに使われています。
・エコドライ、耐水性と耐汚性を追加する加工で、何がエコかというと、自然界で分解されにくい有機フッ素化合物(PFCs)を100%使わずにプロドライに匹敵する性能があります。環境に優しいです。
3Dラップコイル / 3D Lap Coilとは?
最初にパッケージから引き抜くときに、もつれが起きずにすぐに使うことができるロープ巻き上げ技術です。
カットプロテクト Cut Protectとは?
耐切断性を持たせる技術です。岩場で摩擦による切断を防ぎます。
外被に伸びにくい高強度アラミド繊維を編み込んであります。
デュオテック Duo Tecとは?
ロープの中間から、模様が変わっていて中心がわかりやすくなっている特殊技術です。トミー Tommyのみに採用されていて、実際とても便利です。
べアール BEALのブースターⅢというロープも中間から模様が変わっています。
おすすめのクライミングロープと選び方
ジム用と外岩用におすすめのクライミングロープを紹介していきます。
ジム用のおすすめクライミングロープ
ジム用におすすめの条件は以下です。
- 長さは30〜40mのシングルロープ
- 耐墜落回数が多め
- 撥水加工は必要ない
条件を満たすおすすめのロープは以下になります。
・ボアジム Boa Gym 35m
太さ:9.8mm
長さ:35、40m
重さ:68g/m(35mで2380g)
耐墜落回数:7回
処理:Sports Bird、Link Tec
名前の通り、エーデルリッドのジム用のハイエンドモデルです。
Sports Birdとは特殊な編み工程により、コンパクトで滑らかで扱いやすく、耐摩耗性が向上しています。
LInk Tecとは、ロープを編み上げる工程で外皮と芯を接着することで、強度が増し寿命が長くなる技術です。
太さが9.8mmで、太くて重いと思うかもしれませんが、細すぎると扱いずらく、ジムでは30mあれば大丈夫なので、太くてもそこまで変わりません。
・ボア Boa 30m
太さ:9.8mm
長さ:30、40、50、60、
重さ:62g/m(30mで1860g)
耐墜落回数:7回
処理:Thermo Shield、3D Lap Coil
ボアジムとの違いは、Thermo Shieldと3D Lap Coilです。
Thermo Shieldは、ロープが柔軟になる処理で、3D Lap Coilは、初回にロープをパッケージから引き出す時にねじれにくいだけの処理なのでそこまで気にしなくて良いです。
耐墜落回数はボア ジムと同じ7回です。
ボアジムより安くて軽いので持って行くのに軽い方が良い人、とりあえず始めてみたい人におすすめです。
外岩用のおすすめクライミングロープ
外岩用におすすめなロープの条件は
- 長さは60〜70mのシングルロープ
- 耐墜落回数が多め
- 撥水加工は必要、できればプロドライ
- 軽い方が良い
条件を満たすおすすめのロープは以下になります。
・スイフト プロテクト プロドライ Swift Protect Pro Dry 60m
太さ:8.9mm
長さ:50、60、70m
重さ:53g/m(60mで3180g)
耐墜落回数:6、18、30回
処理:Cut Protect、Thermo Shield、3D Lap Coil、Pro Dry
リードクライミング向けの細く軽量なハイエンドモデルです。
シングルロープでは唯一Cut Protectというアラミド繊維を外皮に編み込んだ切断防止の加工がされているので、過酷な岩場、アイスクライミングで擦れても他のモデルよりも耐久性があります。
・スイフト 48 プロドライ Swift 48 Pro Dry
太さ:8.9mm
長さ:50、60m
重さ:53m/g(60mで3180g)
耐墜落回数:6、18、30回
処理:Thermo Shield、3D Lap Coil、Pro Dry
リードクライミング向けの細く軽量なハイエンドモデルです。
シングル、ツイン、ダブルロープの全ての規格をクリアしているので、ハーフ、ダブルでも使えますが、基本的にシングルロープとして一本で使えば良いです。
名前の48の由来は、ボビン数(外被の糸の数)が48個で、この数が多いほど衝撃吸収性があり、少ないと耐摩耗性があります。
48は業界最多で、べアールでもハイエンドモデルに採用されている数です。
ペツルのクライミングロープは40が多いです。
スイフト プロテクト プロドライより少し安いです。
・トミー プロドライ デュオテック Tommy Pro Dry DuoTec 60m
太さ:9.6mm
長さ:60m
重さ:62m/g
耐墜落回数:9回
処理:DuoTec、Pro Dry、Thermo Shield、3D Lap Coil
エルキャピタンのドーンウォールをフリー初登したアメリカのクライマー、トミー・コールドウェル TOMMY CALDWELLが開発に携わった外岩向けのロープです。
防水のプロドライと、中心から模様が変わって、中心がわかりやすいDuoTecがあり、かつ耐墜落回数も多いまさに外岩向けのロープです。
外岩とジムを兼用で使いたい人におすすめのクライミングロープ
もちろん、紹介したジム用、外岩用のクライミングロープでも兼用できますが、ジムにもよく行くし外岩にもよく行く人におすすめのクライミングロープです。
おすすめの条件は
- 50mのシングルロープ
- 撥水加工
- 耐墜落回数多め
- 軽い方が良い
条件を満たすロープはイーグルライト プロドライ 50mです。
イーグルライト プロドライ Eagle Lite Pro Dry 50m
太さ:9.5mm
長さ:50、60m
重さ:62g/m(50mで3100g)
耐墜落回数:10回
処理:Thermo Shield、3D Lap Coil、Pro Dry
撥水加工もあり、太さ9.5mで何と耐墜落回数が脅威の10回!
ペツル、べアールなど他メーカーのロープを含めても、シングルロープで太さ9.5mで10回はこのロープだけです。
耐墜落回数は、ロープの強度を示す値で大きいほど強いロープとなります。
落下試験では、長さ2.8mのロープを用い半径5mmのエッジにあてて、シングルロープの場合80kg、ハーフロープの場合55kg、ツインロープの場合2本束ねて80kgのおもりを4.8m落下させて切断されるまでの回数を測ります。
ジムと外岩の中間である長さ50mがあるのも魅力です。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。