べアール BEALのおすすめクライミングロープ!どうやって選ぶ?
ロープには、様々な種類があり、クライミング用のロープをどうやって選んだら良いかわからない人も多いかと思います。
そんな疑問を海外ノマドクライマーの自分が一気に解決します。
最初にべアールのロープの種類の説明、その後、結論のおすすめのロープという構成の記事になっています。
目次
べアール BEALとは?どんなメーカー?
べアール BEALはフランスのクライミングメーカーで、ロープ、ハーネス、アクセサリーの特にロープを使ったリードクライミングで使うものを作っています。
ぺツル Petzlなど他の登山メーカーはウェアなど、幅広く作っていますが、べアールはロープに特化したメーカーでロープの種類が豊富です。
べアールのロープの種類
べアールのロープに限った話ではないですが、ロープは以下の3種類に分類されます。
ダイナミックロープ(伸びるロープ)
伸縮率(伸び率)が10〜35%程度のロープです。
落下を想定したクライミングで使われるロープで、伸びることで衝撃を吸収してくれます。
べアールのロープは、「バックアップライン」というモデル以外は、全てダイナミックロープです。
セミスタティックロープ(少し伸びるロープ)
落下を想定していない高所作業などで使われます。
クライミングでは使いません。
べアールのロープでセミスタティックロープは、ありません。
スタティックロープ(伸びないロープ)
救助などで上に支点を取って、効率的に安定して荷物を上げたり下ろしたりする際などに使われます。
落ちた時に衝撃が体にダイレクトに伝わるので危険なので、クライミングでは使いません。
べアールのロープでスタティックロープは「バックアップライン」というモデルのみです。
クライミング用はダイナミックロープ(伸びるロープ)
クライミングには、ダイナミックロープ(伸びるロープ)を使います。
そのダイナミックロープは、以下3種類にクライミングのスタイルによって分類されます。
・シングルロープ
一番シンプルで最も主流のスタイルです。
シングルロープに対応しているロープには①と記入されています。
一本でリードクライミングでビレイに使うことができる比較的太いロープです。
つまり、クライミングで使うロープはダイナミックロープで①と記入してあるシングルロープを選べば良いです。
以下べアールのシングルロープです。
モデル名
| 太さ mm | 長さ m | 重さ g/m | 耐墜落回数
| ボビン数
| 色
| 備考
|
ジョーカーユニコア ゴールデンドライ | 9.1 | 50, 60 | 52 | 5〜6 | 48 | オレンジ、ブルー | ダブル、ツインでも使用可 |
ジョーカーユニコア ドライカバー | 9.1 | 50, 60, 70, 80 | 52 | 5〜6 | 48 | オレンジ、ブルー | ダブル、ツインでも使用可 |
ジョーカーソフトユニコア ドライカバー | 9.1 | 60, 70, 80 | 52g/m | 5〜6 | 48 | ブルー | ダブル、ツインでも使用可 |
スティンガーⅢ ユニコア ドライカバー | 9.4 | 50, 60, 70, 80 | 57 | 8 | 40 | ブルー、アニス | |
ゼニス | 9.5 | 50, 60 | 59 | 7 | 48 | ブルー、ピンク | 撥水なし |
ウォールクルーザー ユニコア | 9.6 | 30,40 | 62 | 7〜9 | 32 | ブルー、オレンジ、グリーン | |
ブースターⅢ ユニコア ドライカバー セーフコントロール | 9.7 | 60 | 61 | 8〜9 | 40 | アニス | |
ブースター Ⅲ ユニコア ドライカバー | 9.7 | 50, 60 | 61 | 8〜9 | 40 | ブルー、アニス | |
カルマ | 9.8 | 50, 60 | 61 | 9 | 40 | イエロー、オレンジ | 撥水なし |
タイガー ユニコア ドライカバー | 10 | 50, 60 | 61 | 7〜8 | 48 | フューシャ、グリーン | |
バイラス | 10 | 50, 60 | 63 | 9 | 48 | ピンク、グリーン | 撥水なし |
ウォールスクール ユニコア | 10.2 | 30, 40 | 64 | 7〜8 | 32 | ブルー、レッド、グリーン | 撥水なし |
トップガン Ⅱ ユニコア ゴールデンドライ | 10.5 | 50 | 68 | 12〜13 | 48 | ブルー | |
トップガン Ⅱ ユニコア | 10.5 | 50, 60 | 68 | 12〜13 | 48 | ブルー、グリーン | 撥水なし |
ハイエンドモデルの「ジョーカー」3種類は、ダブルロープ、ツインロープの基準も満たしているので、シングルロープ、ダブルロープ、ツインロープで使えます。
ユニコアとは?
ユニコアとはべアールの外被と芯を接着する技術です。
これによって岩場などの摩擦で外被が剥けて、芯から剥がれてしまうことを防ぎます。
他のメーカーも接着されていますが、べアールはより強く接着されていて過酷な環境でも強いと考えられます。
ゴールデンドライとは?
ゴールデンドライとは、外被だけではなく、芯まで撥水加工をした処理で撥水性が高まっています。
クライミング製品の国際基準であるUIAA(国際山岳連盟)の撥水の規格をクリアしています。
ジムだけで使う場合は、特に撥水性は必要ありませんが、アルパインクライミング、アイスクライミングに使う場合は、このゴールデンドライがおすすめです。
ドライカバーとは?
ドライカバーとは、外被の撥水加工の一つです。
芯まで撥水加工はしていないので、ゴールデンドライほどではありませんが、単なるコーティングではなく繊維の一つ一つに施されています。
外岩でのリードクライミングに使う人におすすめです。
墜落回数とは?
耐墜落回数は、ロープの強度を示す値で大きいほど強いロープとなります。
落下試験では、長さ2.8mのロープを用い半径5mmのエッジにあてて、シングルロープの場合80kg、ハーフロープの場合55kg、ツインロープの場合2本束ねて80kgのおもりを4.8m落下させて切断されるまでの回数を測ります。
耐墜落回数6とは、6回耐えたという意味です。
特に落下を想定したジムでのクライミングは、この数字が大きいほど良いです。
ボビン数とは?
ボビン数とは、外被の編んでいる糸の数です。
この数が多いと衝撃に強く、少ないと摩擦に強いです。ぺツルなど他メーカーも、べアールと同じ35〜40が一般的で、あまり気にしなくて良いです。
・ダブルロープ(ハーフロープ)
ダブルロープはシステム、スタイルの名前で、使われるロープはハーフロープと呼ばれます。
2本のロープをそれぞれ異なる地点に通しながら登るスタイルで、1本が切断しても安全です。シングルロープよりも少し細いロープを使うことができます。
「1/2」と表記されていて、過酷な状況のアルパインクライミングで使うことがあります。
べアールのハーフロープは以下のモデルになります。
モデル名
| 太さ mm | 長さ m | 重さ g/m | 耐墜落回数
| ボビン数
| 色
|
アイスライン ユニコア ゴールデンドライ | 8.1 | 50, 60 | 39 | 6〜7 | 32 | エメラルド、オレンジ、アニス |
コブラⅡ ユニコア ゴールデンドライ | 8.6 | 50, 60 | 49 | 16 | 40 | フューシャ、グリーン、ブルー |
コブラⅡ ユニコア ドライカバー | 8.6 | 50 | 49 | 16 | 40 | ブルー、オレンジ、アニス |
ベルドンⅡ ゴールデンドライ | 9.0 | 50 | 49 | 18〜19 | 32 | フューシャ、ブルー |
全て撥水加工があります。
・ツインロープ
2本のロープを同時に使うシングルロープを単純に2本にしたスタイルです。
2本のロープを使うので、細いロープを使うことができ、「∞」のようなマークが表記されています。
世界的にマイナーなスタイルです。
結論:おすすめクライミングロープ
結局どれがクライミングに良いのかというと、ダイナミックロープでシングルロープ対応のものが良いです。(べアールには14モデルある)
その中から、ジムで使うのに適したモデルと外岩で使うのに適したものが以下になります。
ジムで使うのにおすすめのクライミングロープ
ジムでは、以下の条件を満たすものがおすすめです。
- ダイナミックロープでシングルロープ
- 長さは30〜40m
- 耐墜落回数が多い
- 撥水加工は無し
条件を満たすべアールのおすすめロープが以下の2つになります。
・ウォールクルーザー ユニコア 30m
太さ:9.6mm
長さ:30、40m
重さ:62g/m (30mで1860g)
耐墜落回数:7〜9
名前の通りジム用のロープです。
9.6mmと程よい太さで扱いやすいです。あまり細いと握りにくいです。
・ウォールスクール ユニコア 30m
太さ:10.2mm
長さ:30、40m
重さ:64g/m (30mで1920g)
耐墜落回数:7〜8
ウォールクルーザーより、少し太く子供でも扱いやすいです。
ウォールクルーザーとほぼ値段は同じですが、太いため強度がありますが少し重いです。
外岩で使うのにおすすめのクライミングロープ
外岩で使う時は、以下の条件を満たすものがおすすめです。
- ダイナミックロープでシングルロープ
- 長さは60〜70m
- 撥水加工あり
- 耐墜落回数が多い
条件を満たすべアールのおすすめロープが以下の2つになります。
・ジョーカー ユニコア ゴールデンドライ 60m
太さ:9.1mm
長さ:50、60m
重さ:52g/m (60mで3120g)
耐墜落回数:5〜6
べアールの最も細い最軽量のハイエンドモデルで、ダブルロープ、ツインロープでも使えます。
山に持って行くとき、軽くてコンパクトだと助かります。
ゴールデンドライというドライカバーより強力な撥水加工がされていて、手間がかからないです。
・ブースターⅢ ユニコア ドライカバー セーフコントロール 60m
太さ:9.7mm
長さ:60m
重さ:61g/m
耐墜落回数:8〜9
長さは60mしかなく、唯一ロープのセンターで模様が変わっている、真ん中を見つけやすいモデルです。
ドライカバーという外被の撥水加工もあり、山で使うのにおすすめのモデルです。
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1本でジムと外岩を兼用したい人におすすめのクライミングロープ
最軽量のハイエンドモデルのジョーカーは、撥水の50mのモデルがあるので、どうしても、ジムも外岩も1本で済ませたい人には、おすすめです。
ジョーカーで50mは以下の2つのモデルになります。
ジョーカー ユニコア ゴールデンドライ 50m
外岩で使うときにおすすめしているロープの50mバージョンです。
ゴールデンドライというドライカバーよりも強力な撥水処理がしてあります。
ジョーカー ユニコア ドライカバー 50m
ドライカバーという外被の撥水加工をしていて、ゴールデンドライよりは、撥水性はないですが安いです。
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