メキシコへ製品を輸出、輸入、販売する際、必ず通らなければならないのがメキシコ公式規格(NOM)です。
「関税はクリアしたし大丈夫だろう」と思っていると、税関で「NOM証明書がない」と突き返されるのがメキシコ貿易の怖いところ。
今回は、輸出前に必ず確認すべき3つの規格と、適合性確認のステップを解説します。
目次
1. メキシコにおける3つの規格
メキシコには主に3つの規格が存在します。
① メキシコ公式規格:NOM (Normas Oficiales Mexicanas)
性質: 法的強制力あり(義務)
目的: 人々の安全、健康、環境保護。
特徴: メキシコ国内で流通・販売される製品は、この規格に従う必要があります。通関時にNOM証明書やラベル要件を満たしていないと、輸入許可が下りません。
② メキシコ規格:NMX (Normas Mexicanas)
性質: 推奨規格(任意)
特徴: 日本のJIS規格に近い存在です。基本的には義務ではありませんが、特定のNOMの中で「この製品はNMX-XXXに従うこと」と引用されている場合は、実質的に義務化されます。
③ 参照規格:NRF (Normas de Referencia)
性質: 政府機関向け規格
特徴: PEMEX(メキシコ石油公社)やCFE(連邦電力委員会)といった政府機関が調達する製品に適用される特定の規格です。
2. 「NOM」には2つの種類がある
NOMへの対応は、大きく分けて「安全性テスト」と「表示ラベル」の2種類があります。
安全性(Safety)NOM: 電化製品や玩具などが対象。認定試験機関でのラボテストと、証明書の発行が必要です。
ラベル(Labeling)NOM: すべての消費者製品が対象(NOM-050など)。スペイン語での成分表示、輸入者情報、原産国などの記載が厳格に定められています。
3. 私の製品は対象? NOMの確認方法 3ステップ
製品がNOMの対象かどうかは、関税番号(Fracción Arancelaria)から判断します。
ステップ1:関税番号(Fracción Arancelaria)の特定
まずは、メキシコの税関士(Agente Aduanal)や専門家に依頼して、正確なメキシコ側の関税番号(Fracción Arancelaria)を特定しますが、TIGIE公式サイトで自分でカテゴリーを選択していけば、調べることができます。
TIGIE公式サイト:一般輸出入税法(Tarifa de la Ley de los Impuestos Generales de Importación y de Exportación)のサイトで検索可能です。
6桁であるHSコードに対し、メキシコの関税番号(Fracción Arancelaria)は10桁であり、6桁までHSコードと一致する場合もあれば、しない場合もあります。
ステップ2:規格リスト(Anexo 2.4.1)の確認
メキシコ政府が発行する「輸入時にNOM遵守が必要な品目リスト(通称:Anexo 2.4.1)」を確認します。
これは、どの関税番号(Fracción Arancelaria)に、どのNOM規格を適用するか」を紐付けた公式の対照表であり、メキシコに商品を輸入する際、税関士(Agente Aduanal)がこのリストを見て、「あなたの荷物はNOM-001の証明書が必要だ」「これはNOM-050のラベルが必要だ」と判断する根拠になります。
SNICE公式サイト:国立対外貿易情報サービス(Servicio Nacional de Información de Comercio Exterior)のサイトで最新情報はここで一元管理されています。
自分の製品の関税番号がリストにあれば、そこに記載されたNOM番号に従う義務があります。
ステップ3:内容を官報(DOF)で確認
該当するNOM番号(例:NOM-001-SCFI-2018)が分かったら、連邦政府機関紙(DOF)でNOM番号を検索し具体的な技術要件を調べます。
4. NOM認証取得のプロセス
製品テストが必要な場合(安全性NOMなど)の一般的な流れは以下の通りです。
ラボテスト: メキシコ政府が承認した独立検査機関(EMA認定機関など)にサンプルと技術データを送り、テストを受けます。
証明書発行: テストに合格すると、認証機関からNOM適合証明書が発行されます。
税関システムへの紐付け: 認証機関がその情報を税関のネットワークにアップロードします。
通関: 輸入者が通関書類(Pedimento)と共に証明書を提示し、税関がシステムと照合して許可を出します。
5. 【重要】免除規定について
すべての製品にNOMが必要なわけではありません。以下のケースでは一部免除されることがあります。
サンプル品: 展示会用や試験用(条件あり)。
個人使用: 数量限定の個人輸入。
海外旅行者の手荷物: 常識的な範囲内の私物。
原材料・中間財: 最終製品の製造用として、認定を受けた企業(IMMEXなど)が輸入する場合。
まとめ:メキシコ輸出を成功させるために
メキシコ輸出の成功は、「発送前にNOMを制すること」にあります。
まず正確な関税番号を特定する。
その番号に紐づくNOM(強制規格)があるか調べる。
安全性の証明が必要か、ラベル対応だけで良いかを確認する。
メキシコ現地の税関士(Agente Aduanal)と密に連携する。
メキシコは「ルールは厳しいが、市場は巨大」です。正しく規格を理解して、安全にビジネスを拡大しましょう!
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