メキシコの酒!メスカル/Mezcalとは?現地在住が原料と製造方法を解説!
メキシコといえばテキーラ、ビール、民族音楽のマリアッチをイメージする人が多いかもしれませんが、メスカル/Mezcalというメキシコ発祥の酒もあるんです!!
目次
メスカルとは?原料?飲み方?
メスカルの定義、原料、名前の由来
まずメスカルの定義とは、アガベを原料として蒸留されてできた酒のことです。名前の由来は、アステカ文明の「調理されたアガベ」という意味の単語メクスカリ/mexcalliから来ています。
アガベは、マゲイとも呼ばれ、植物の総称であり、200以上の種類があります。サボテンとは別の種類です。メスカルに使われているのは約30種類です。
メキシコ全土のアガベを作っている地域でメスカルは作られています。街中にも観葉植物的な感じでアガベは植えてあったりします。
オアハカ/Oaxacaという村とノルテーニョ/Norteñoという北部で作られているメスカルが有名で、特にオアハカにあるサンティアゴ マタトラン/Santiago Matatlánという街が有名です。
メスカルの飲み方
メキシコではストレート、ロックで、ゆっくり飲むことが多いです。ホームパーティーではライムを加えたり炭酸で割ったりします。
メスカルの歴史
メキシコでアガベをいつ蒸留し始めたのかは定かではありませんが、1519年以前から存在し、1519年のスペイン人によるメキシコの征服後に普及しました。
1519年のスペイン人の征服まで、メキシコ人がアガベを蒸留酒として飲んだという形跡はありません。
スペイン人は、メキシコの先住民のものとは異なる独自の蒸留プロセスを持っていました。メキシコに到着したとき、彼らは自分たちの酒を持ってきましたが、約30万人いたので、酒は早くなくなりました。
酒がなくなったから作ろう!というわけでスペイン人が作り始めました。メキシコの先住民がしているのを見たので、アガベを使って蒸留プロセスを実験し、スペイン人はそれを「ブランデー」または「火の水」と呼びました。なのでメスカルの製法はブランデーにも影響を与えています。
現在は、100を超えるブランドのメスカルがあり、おそらく数十のブランドが一般に販売されていません。
メスカルの生産で有名な町はオアハカです。メキシコシティからバスで行けます。
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メスカルに芋虫が入っているけど大丈夫?食べるの?なぜ?
芋虫が思いっきりボトルの中に入っているメスカルもあります。
食べられますが、メキシコでは瓶に入っている芋虫は一般的に食べません。
この芋虫は、スペイン語でグサノ/gusanoと呼ばれる、コマディア・レドテンバチェリ/Comadia redtenbacheriという蛾の幼虫でアガベの下部にくっついていた害虫です。
普通に焼いて食べたりもします。テキーラと見分けられる様にオアハカ/Oaxacaで始まりました。メスカルの味には、虫は影響しません。
虫を入れる習慣は、カルメン・ヴァレス・セプティエン/Carmen Valles Septiénが編集した本「メスカル、長寿の秘薬/Mezcal, elixir de larga vida」に記載されているように、40年代に生まれました。
ヤコボ・ロザノ・パエス/Jacobo Lozano Paézは、メキシコシティに住んでおり、経済的な理由でアーティストをやめた後、メキシコシティの酒屋で働き始め、後にそこで出会った妻と一緒に働き始めました。
彼らはオアハカのマタトラン・デ・トラコルラのメンデス家から購入したメズカルを包装し始め、テキーラと区別するための特徴として虫を入れ、メスカル製造プロセスの専門家となりました。
虫について様々な物語がありますが、どれも科学的根拠はありません。例えば虫を食べると幻覚作用がある等(虫を食べるまでに飲み過ぎてかなり酔っていることが原因だと考えられる)
虫は味がしません、ただブニュブニュした食感があるだけです。
ちなみに、小さいサソリ、パイナップルが入っているメスカルもあります。 瓶に何か入っているテキーラはないので、何か入っていたらそれはメスカルです。
メスカルの製造方法
はっきり言ってテキーラと同じです。テキーラもメスカルなので当たり前ですが。。。
大量生産されているテキーラと違って、メスカルは今でも、昔の伝統的な作り方をしているメーカーもあります。
1.アガベの収穫
アガベ栽培は現在有機農業で行われます。 アガベが収穫できる様になるまでには、8年から10年かかります。
何世代にもわたって、アガベは、改良されてきました。 収穫するには、その良好な状態を確認する必要があります。
アガベ中心が露出するまで葉と根がカットされます。この形は一般にピーニャ/piñaと呼ばれています。
2.蒸す
窯に入れ蒸します。入れる前に、斧でざく切りにされます。窯はメスカルが大量に生産される場所にあり、主にトラコルラ、ヤウテペック、エジュトラの各自治体で見られます。 石が真っ赤になるまで窯を熱し、ピーニャを置き、約3日間蒸します。
この段階の終わりに、色は白からキャラメル色に変化します。これは、ピーニャに含まれる炭水化物またはデンプンが糖に変換されたためです、
2.すり潰す
すり潰して果汁を取り出します。
中央の支柱があり、重りを馬や牛に引かせて回転する石の車輪で構成されています。もちろん今は機械でやっています。
3.発酵
果汁は、最大2000リットルを保持できるオークの木の樽に入れて熟成、発酵されます。
発酵プロセスには、水と温度という2つの基本的な要素があり、発酵にかかる時間は後者によって異なりますが3日から5日です。 自然発酵により、微生物は自由に作用し、炭水化物を分解してエチルアルコールに変換します。
微生物をサポートするために温水と冷水を交互に注ぎますが、一部のメスカルは硫酸アンモニウムを使用して発酵時間を短縮し、生産量を増やすこともあり。 発酵は加速とされますが、専門家からは、発酵を加速するために物質を加えると味が変わると言われている。
テキーラと同じように樽での熟成期間が長くなるほど、色が茶色くなり、値段が高くなります。
味は一般的にまろやかになり、飲みやすくなるのでメキシコに行ったら色の濃いメスカルを探してみてください。
4.蒸留
蒸留は最低2回されます。 加熱され、蒸発し、ゆっくりと凝縮し、容器に堆積します。
5.梱包
メスカルの均質化や安定化などのさまざまな方法で製品を標準化します。
まず、アルコール度の調整があります。メスカルのNOMによると、36〜55%のアルコールである必要があり、一部のメーカーは、リードピペットと小さな容器を使用してメズカルを注ぎ、泡の形成を観察し、これらの泡のサイズに応じて、メスカルが高品質であるかどうかを判断します。
製品を均質化するための他の最新の手段は、希釈、濾過、および沈降のさまざまな方法を通じて検査する実験室試験によるものです。このようにして、純粋で、コクのある若い飲み物になり、生産者のブランドに応じてパッケージ化されます。
パッキングプラントには、手動から半自動のパッケージングがあります。
これらは、適切な品質管理を実行するためです。ただし、地元で消費するためのバルクメスカルや、登録商標を持たず、メスカルを完全に手作業でガラスまたは黒粘土の容器に詰める小規模生産者います。
31歳でメキシコに転職した時の話: 〜就労ビザ、生活、コロナウイルス 、日系企業のリアル〜 EXOTISMO
おすすめの本場のメスカル:グサーノ・ロホ
日本で買えるグサーノ・ロホ/Gusano Rojo
グサノ・ロホとは「赤い虫」という意味です。オアハカのメスカルで芋虫入りです。アルコール度数は38%です。
1932年から続く老舗で虫を初めて入れ始めたメーカーです。カラメルで味付けがされていて、甘い味がして、ドライで体が暑くなるような気合の入るメスカルです。
味は甘いので炭酸割りがおすすめです。
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